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★米中国防相会談 「核心的利益」で思惑浮き彫り 中国軍

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 ★米中国防相会談 「核心的利益」で思惑浮き彫り 中国軍

 【ワシントン=佐々木類】19日の米中国防相会談ではハイレベルの軍事交流の重要性を確認する一方、尖閣諸島(沖縄県石垣市)をも含む「核心的利益」を追求し、海洋権益拡大を目指す中国軍の思惑が改めて浮き彫りになった。




「われわれ(中国)の領土、主権、海洋権益を守る決意と意思を過小評価すべきではない」

 中国の常万全国防相はヘーゲル米国防長官との共同会見でこう語った。名指しこそ避けたものの、米国や日本など米国の同盟国を強く牽(けん)制(せい)したものだ。

 米中軍事交流ではここ数年、海賊対策や人道支援だけでなく、双方の国防戦略も議題になるなど厚みを増している。背景には、米軍と、西太平洋で活動を活発化させる中国海軍との「不測の衝突」が起きかねないという、現実的な脅威が高まっている事情もある。

 ヘーゲル長官が会見の冒頭で言及したのも、2014年にハワイ沖で行われる環太平洋合同演習(リムパック)への中国海軍の参加と、今夏初めて実現した米海軍兵学校への中国海軍士官候補生の留学だ。

 リムパックはそもそも中国、ロシア、北朝鮮を念頭に始まった演習だ。ロシアの参加を昨年認めたのに続き、中国の招待も決めたのは航空機や艦船を運用する現場指揮官らとの交流を重ね、少しでも信頼を醸成しようという狙いがある。

 実際、中国軍事戦略に関する米専門家の間では、米ソ冷戦時代の旧ソ連軍と違い、中国海軍の行動について「予測しづらく危険」(在中国米大使館のラリー・ウォーツェル元駐在武官)との懸念が強い。米中による不測の武力衝突を回避する枠組みづくりは米側にとっても喫緊の課題だ。しかし「核心的利益」をめぐる中国の従来の立場は変わらないどころか、逆に強まりつつあることが今回の国防相会談でより鮮明になった。

 米大手シンクタンク「ヘリテージ財団」のディーン・チェン研究員は「成果に乏しく、会うのが目的の会談に終わった。米側は実をとる努力がさらに必要だ」と指摘している。
by denhazim | 2013-08-21 15:47