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安倍首相は今月3日午後、高村氏を突然、官邸に呼び出し

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安倍首相は今月3日午後、高村氏を突然、官邸に呼び出し、集団的自衛権の行使容認の閣議決定にこぎつけられたことに頭を下げた。首相執務室で行われた会談時間は約20分。内閣改造も話題に上ったとみられる。

 首相は周囲に「安全保障法制の国会答弁に堪えうるのは高村氏しかいない」と語るが、高村氏は自らの安全保障法制担当相就任について、産経新聞のインタビューで「ない」と断言。2月に前立腺がんの治療を受けるなど健康面の理由もあるとみられる。

 そんな高村氏は衆院当選11回の大ベテラン。首相と同郷の山口県選出で、信頼は厚い。副総裁に任命されたのは、虎視眈々(たんたん)と「ポスト安倍」を狙う石破茂幹事長の「お目付け役」という意味合いもあった。

 副総裁は元来、名誉職の色彩が強いポストだが、高村氏は実務面で絶大な存在感を発揮。その象徴的な例が、先の集団的自衛権の行使容認をめぐる与党協議や公明党の北側一雄副代表との水面下での交渉だった。

 一方、閣内に身を置く麻生、菅、甘利の3氏と首相の4人は固い絆で結ばれている。麻生首相時代には、「NASAの会」のメンバーとして故中川昭一元財務相、安倍首相、菅氏、甘利氏が麻生氏を支えた。

 このうち菅氏については「石破氏の代わりに幹事長に起用されるのでは」(自民党中堅)との見方も浮上したが、「菅氏の続投は確定」(閣僚)との声は根強い。官僚操縦術にたけ、危機管理もぬかりない菅氏の存在感は閣内で際立っているためだ。

 麻生、甘利両氏は首相の経済政策「アベノミクス」を推し進める「両輪」だ。特に麻生氏は首相と自宅が近いということもあり、東京・富ケ谷にある首相の私邸で会食するなど、「首相の頼もしい相談相手」(政府高官)となっている。首相が主導した法人税の減税方針を決める際、麻生氏は表向き「恒久減税には恒久財源を確保すべきだ」と財務省の言い分を代弁した。だが、水面下では「(減税を)やる方向で知恵を出せ」と指示するなど、首相の方針を後押ししていたのだ。

 その法人税減税をめぐり麻生氏との対立劇をしばしば報じられた甘利氏。「アベノミクス担当大臣」を自称し、日本経済再生に並々ならぬ意欲を持っている。

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉では、4月のオバマ米大統領来日に合わせて行われたフロマン米通商代表部(USTR)代表との協議で安易な譲歩をせず、「タフネゴシエーター」(米交渉筋)として評価を高めた。

 この時、協議に向かう甘利氏に「後の面倒は俺が責任をもって対応する。しっかり交渉してこい」と耳打ちしたのが、ほかならぬ麻生氏だった。

 ただ、改造をめぐっても「うまくいっているうちは代えない方がいい」を持論とする麻生氏に対し、甘利氏は党運営を考慮して大幅改造を想定。政策的にも、財政規律と成長戦略の間で両氏が対立しかねない火種は残る。それだけに、「チーム安倍の存続には調整役としての菅氏の存在が欠かせない」(政府筋)との声は日増しに強くなっている。
by denhazim | 2014-07-18 10:20