人気ブログランキング |

「愛の反対は憎しみではありません。無関心です」。

f0180726_1663922.jpg


「愛の反対は憎しみではありません。無関心です」。インドで病人や貧者の救済に生涯をささげ、ノーベル平和賞に輝いた修道女、マザー・テレサの名言とされる。

 ▼もっとも、やはり平和賞を受賞した米国のユダヤ人作家、エリ・ヴィーゼル氏も、同じ言葉を何度も使ってきた。ヴィーゼル氏は、第二次世界大戦中にアウシュビッツ強制収容所に送られ、親族の大半を失った経験をもつ。

 ▼欧米各国はナチスの蛮行を知りながら、なぜ手をこまねいたのか。そんな重い問いかけが、言葉に込められていた。ヴィーゼル氏は2005年、強制収容所の解放60年を記念する国連総会の特別会合で、改めて訴えている。今なお各地で繰り返される悲劇を終わらせるために、何より国際社会の連帯が必要だと。

 ▼北朝鮮の人権侵害は、もちろん最大の悲劇のひとつである。日本人を含む外国人拉致による行方不明者は、20万人にものぼる。政治犯収容所では、拷問や公開処刑が当たり前のように行われ、住民は飢餓にあえいでいる。国連の調査委員会が公表した報告書は、北朝鮮の残虐行為を余すところなく暴いていた。

 ▼調査委員会はもともと、日本政府と欧州連合(EU)の働きかけによって生まれた。拉致問題の早期解決に強い意欲を示す、安倍政権の外交成果といえる。今回の報告書の内容は、各国で報道され、事実を知らなかった人々に衝撃を与えているという。

 ▼拉致被害者の帰国をはじめとする、報告書の勧告を実現するには、それを北朝鮮の金正恩第1書記に対する、さらなる圧力に変えていくしかない。自らも深刻な人権問題を抱える、中国の妨害をどのように封じるのか。これも、大きな課題だ。日本の外交力の真価が問われている。
by denhazim | 2014-02-21 16:06