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黒柳徹子さんが、ユニセフ親善大使としての直近の活動をまとめた「トットちゃんとトットちゃんたち



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黒柳徹子さんが、ユニセフ親善大使としての直近の活動をまとめた「トットちゃんとトットちゃんたち
 1997―2014」(講談社)を出版しました。紛争や飢えに苦しむ子どもたちに、私たちができることはあるのでしょうか。84年の就任以降、途上国などで31回の視察を重ねた黒柳さんに聞きました。

■たった一人の子どもでも、力になれたら

 2年前、アフリカの南スーダンに行きました。93年に行ったときには独立前で、激しい内戦をしていました。独立はしたけれど、国のお金はみんな戦争に使われ、人口1100万人の国なのに小児病院は一つだけ。子どもの栄養失調を何が何でも治したいと、3人の子どもを連れ、150キロも歩いて病院に来たお母さんもいました。

 私が帰ったすぐ後に、また内戦が始まった。気の毒です。この大きな国には、優秀な人もいるでしょうから、みんなで励めばきっといい国になるだろうに、と。

 ゲリラは子どもをさらって銃を持たせ、人を撃つよう教育します。8歳くらいからです。女の子はレイプされてしまう。あるお母さんが「私は地獄を見ました」と言いました。さらわれてきた女の子が、ゲリラに子どもを産まされて、その子どもを背負いながら銃も持たされ、「撃て」と命令された。銃を向けたのは、女の子の生まれた村だった。15歳くらいだったそうです。確かに地獄です。


フィリピン・ミンダナオ島の小学校で子どもたちと話す黒柳徹子さん(左から4人目)=2014年6月、(C)UNICEF/PPD Tokyo 2014/Jeoff Maitem© 朝日新聞 フィリピン・ミンダナオ島の小学校で子どもたちと話す黒柳徹子さん(左から4人目…
 別の元少年兵は、難民キャンプで「人殺し」と呼ばれていました。そんな子どもたちがいっぱいいるということを知ったのが本当につらいことでした。

 何かが良くなると、他のことが悪くなる。それでも絶望はしません。例えばモザンビークはいま、アフリカでうまくいっている国の一つと言われていますが、独立した頃はたいがいの人が読み書きできなかった。私は当時の大統領にお会いしたとき、双眼鏡を差し上げて「これでゲリラをお捜しください」と言いました。そうしたら、「いいえ、私はこれでこの国の未来を見ましょう」とおっしゃったんですよ。優秀な人がいれば、国は何とかうまくいくんですね。私が親善大使になった頃、世界では年間1400万人以上の子どもが死んでいましたが、今約630万人まで減ったんです。

 1人の子どもだって救うのは簡単ではありません。だから、自分のことを無力に感じる人もいるかもしれません。でも、世界中の人が関心を持てば、それが大きな力になります。例えば、教育が必要なことを誰かが友だちに教え、また誰かが別のことを教えて、そういうことを少しずつ積み重ねて世界はより良くなっていく。だから私はこの30年間、「たった1人の子どもでも、力になれたら」と思って活動してきました。
by denhazim | 2015-09-02 21:09