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マツダRX-VISION:思いがストレートに伝わってくる



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マツダRX-VISION:思いがストレートに伝わってくる
今年のショーのイチバンは何かと問われれば、やはり、マツダの「RX-VISION」だろう。なぜなら、マツダの正直な心を具現したようなクルマだからだ。そこには、少しもビジネスの臭いがない。あるのは、ピュアなスポーツカーへの憧れであり、過去の偉業に対するリスペクトや純粋なエンジニアリングへの情熱だ。その熱い思いがストレートに伝わってきた。自分の「クルマが好き」という心に響くのだ。

■「ロータリーを作りたい」という宣言にグッときたほかのクルマはどうだったのか? いろいろと興味深いクルマはあった。業界の最近のトレンドである自動運転という切り口から言えば、日産の「IDSコンセプト」が一番だろう。未来のクルマといえば、次世代の燃料電池車である「レクサスLF-FC」だ。コマーシャルモデルのベストセラーといえば新型「プリウス」となる。しかし、それらにはRX-VISIONほどの浪漫(ロマン)がないのだ。マツダのRX-VISIONを思うと、ロマンチックな気持ちになれる。なぜなら、現在の厳しい燃費規制に対応できずに絶滅状態に陥っていたロータリーエンジン、それを復活させて搭載すると宣言したからだ。レシプロエンジンでもよかっただろう。市販車を見れば、レシプロでもあれだけ格好良いデザインができるのだから。でも、ロータリーなのだ。どれだけマツダがロータリーエンジンを大切にしているのかが、ひしひしと伝わってくる。ちなみに、ロータリーエンジンについての詳しい説明は一切なかった。つまりは、語るべき技術の進化がないのではと勘ぐってしまう。もしもそうなら、マツダのロータリーは依然として厳しい状況にあるのではないだろうか。しかし、それでもマツダは高らかに「私たちはロータリーを作りたい」と明言した。この姿勢にグッときてしまったのだ。(文=鈴木ケンイチ/写真=峰 昌宏)
by denhazim | 2015-10-31 09:29