人気ブログランキング | 話題のタグを見る

今回の選挙において最も驚くべき側面の一つは、共和党ドナルド・トランプ候補



 今回の選挙において最も驚くべき側面の一つは、共和党ドナルド・トランプ候補_f0180726_1630490.jpg

世界各国の中央銀行が失敗に終わったことが、2016年の米大統領選によって実現されるかもしれない。ただ希望したやり方ではない。「保護主義」によるインフレの回復だ。

今回の選挙において最も驚くべき側面の一つは、共和党ドナルド・トランプ候補と民主党バーニー・サンダース候補が、貿易協定を「不公正な条件で米国民の雇用と賃金を奪う」と見なして攻撃することにより支持を獲得しているという点だ。

トランプ候補が中国からの輸入品すべてに45%の関税を課すことを求めているだけではない。ミシガン州フリントで開催された討論会で6日、サンダース候補も「数百万もの雇用が失われているだけでなく、一部の例では、製造業における新規雇用で賃金が20年前の半分になるなど、底辺への競争が起きている。これほどばかげた通商政策があるだろうか」と、現在の通商政策を批判した。

民主党ヒラリー・クリントン候補でさえ、フリントでの討論会では、上院議員時代に議決の機会があった唯一の貿易協定に反対票を投じたことを強調し、提案されている環太平洋連携協定(TPP)に反対する意向を示すなど、とうてい自由貿易の支持者のようには見えなかった。

国務長官だった2012年、クリントン候補が、当時まだ原案の段階だったTPPについて「貿易協定のお手本」と呼んでいたことを思えば、これがいかに大きな変化であるかは分かるだろう。

これらはいずれも選挙向けのレトリックであると見て、あるいは実現する可能性はないと見て割り引いてもいいだろうが、それでも、自由貿易のメリットについての米国内での論調が変化したという事実は残る。

誰が大統領になるとしても、またその他の連邦機関の要職を狙うとしても、今後は貿易障壁の拡大に前向きになりそうだし、関税引き下げと貿易自由化を主張できるかどうかは怪しくなる可能性が高い。
by denhazim | 2016-03-12 16:30